中国人が個人で日本に来る方法(その2)

 彼は、在中国日本大使館領事部で丁寧にアドバイスしてもらったようです。考えられる方法は3つ。仕事で行くか、個人旅行で行くか、家族知人訪問で行くか。仕事で行くという方法は考えられないのでまず除外。個人旅行については(その1)に書いたように、実際には多額の保証金が必要となるので、彼には無理。そこで、「その知人にお願いして、知人訪問ビザを申請して日本に行くこと」を勧められたようです。そもそも、「個人旅行」と言っても、団体旅行と一緒で、指定された中国の旅行社ですべての行程を決めて、指定されたホテルの中から選んだホテルに泊まらなければならない。最初、何も知らなかった彼は、ホテル代を浮かせるために「泊めてもらえますか?」と言っていたのだと思う。まったく無知だったわけだが、後で聞いた話によると、決めたホテルでちゃんと泊まったかどうか、証明書が必要になるらしい。それがないと、保証金の一部が返してもらえないとも言っていた。これは、最初に彼を日本旅行に誘った友人から聞いたという話。その友人の女性は「個人旅行ビザ」をとったそうで(つまり彼女はお金持ちだったのね)、たしかな話だと思う。もちろん、そのほかに、収入証明書やら貯金の残高証明書やら、ありとあらゆる書類を用意しなければならなくて大変だったという。その彼女とは成田で会ったけど、日本語はけっこう出来るけど、日本に来たのは初めてだと言っていた。楽しめたでしょうか?
 というわけで、「家族・知人訪問ビザ」を申請することになったんですが、これって、順序が逆じゃね?と突っ込めるんですが・・・。最初から「日本に行く」ありきだったので、彼の頭の中では「この方法で日本に行ける」ということになるわけ。このビザは、「知人」である私が、彼を「招聘」するということで、彼にビザが発給されるわけですよね。家族や親族でもない私の場合、「招聘人」であって同時に、彼の「身元保証人」にもなるわけです。つまり、こちらが「おいで」と招待するのが先(笑)。いつのまにか、「行く」が決まってて(笑)。まったく、このあつかましさ(ある意味ずうずうしさ)が彼の持ち味でもあるとも言えるので、苦笑しつつも「招聘」してあげることにしたのでした。問題は「招聘理由」。僕が教えた学生でもない彼を、言ってみればただの「知人」の僕が身元保証人・招聘人として「招聘」する理由は、「鞍山同窓会」しかありません。鞍山師範学院の留学生だった何人かは、日本での連絡先を知っていたので、連絡を取って「同窓会」開催を企画したのでした。まぁ、そういうことで必要書類をそろえたんですが、結局「招聘理由書」はA4一枚「別紙」をつけて、これで認めてくれるか? 正直五分五分と見てました。そのほかは、在職証明書・納税証明書・住民票をつけて、EMSで北京の彼の元へ送り、後は大使館領事部の判断を待つだけ。やはり、当初の予定日には発給されず、3日後に発給されました。その間、私のことを調べられていたのかな?