中国人が個人で日本に来る方法(その1)

 このタイトルで「ググる」と、いろんな質問箱がヒットしますが、これが日に日に状況が変わるモノだから、最新の情報を得るのは意外と難しかったです。「日本語を勉強している友達から、12月は航空券が安いから一緒に日本に行かないか?と誘われたから、日本に行きます。泊めてもらえますか?」と、メールが来たのが11月。それと同時に、鞍山師範学院に留学していて現在北京在住のKa氏からも、「藤龍が日本に行くといってるけど、自分はその方法がよくわからないのでアドバイスしてやってください。」とのメールも来る。
 まず、頭に浮かんだのが「何しに来るの?」。彼は一度は日本留学を考えたけど、お金が足りなくて断念していたはず。観光? 中国人の個人の観光ビザなんかあるの?・・・・・・調べてみると、最近になって個人旅行も解禁されたということはわかりました。でも、ここで言う「個人旅行」って、日本人が自由に外国旅行できる(例えば、ビザ省略で)ようなイメージで旅行できるわけないっしょ、ということは想像できます。どうやら、その「・・・わけないっしょ」ということが、パスポートも持ってなかった彼にはまったくわかってなかったようでした。旅行会社には「3500元あれば足りる」と言われたらしく、もうすっかり行く気になっていて、それこそ「んなわけねぇっつの!」とますます意味不明。まず、メールで「日本に来る目的は何か?」と書いたけど、考えてみたら、「行きたいから行く」だけなんだから、この質問は意味なかったですね。こちらは、「観光目的」なら「観光ビザ」、「僕のウチを訪問するという目的」なら「家族・知人訪問ビザ」を申請することになるんだから(というか、そのどちらか以外には方法はない)、いったいどっち?という意味で訊いてるんだけど、そもそも「ビザ」というモノ自体よくわかってないので、答えようがなかったでしょうね。
 結局、日本大使館(領事部)に行って話を聞いてくるようにとアドバイスしたところ、丁寧に教えてくれたらしく、やっと理解したようでした。在中国日本大使館の日本語ホームページにも書いてあるけど、まず、ビザ申請は指定された旅行会社による代理申請しか認めていないということがあります。つまり、観光ビザは、個人旅行であっても、その旅行社で滞日中の旅行ルート・宿泊ホテル(これも指定された施設が決まっている)等を決めて(予約して)、その通りに旅行して帰ってくる、という条件でしか「観光ビザ」を申請することができない。その際、「保証金」を預けなければならないということについては、大使館のホームページには書かれていないので、いろんな「質問箱」を調べてみても、「保証金」の金額にも幅があって、それぞれの個々の状況によって異なるようで、よくわかりませんでした。後で、本人に聞いたところによると、10万元必要と言われたそうです。今のレートでは160万円くらい。大卒初任給が3000元台の国の話ですから、つまり、普通の人には「観光ビザは申請できない」ということ。これで、いくら航空券が2500元で買えても、実際には「乗れない」ということがわかったようでした。・・・つづく・・・。